厳選! 3・4・5歳児クラス※で人気がある本
絵本ニュース「園で 家で 人気がある本・楽しんでいる本」№2
※2020年度のクラスです。
3歳児クラスは、日々の生活や調理保育・遠足等の行事で経験したことを思い出しながら内容によっては大笑いしながら見ています。
4・5歳児クラスになると、経験・体験する前に絵本で知って見通しを持ったり、より期待をふくらませたり。または、経験・体験した後に絵本でくり返し味わい、さらにイメージを広げることもあります。
そんな幼児クラスで選りすぐりの絵本をご紹介します。
☆:園のひよこ文庫にあります。
*:現在品切れ重版未定。ぜひお近くの図書館でご覧ください。
3歳児クラスが繰り返し楽しんでいる6冊
普段からひよこ文庫などで、様々な絵本に親しんでいるひまわりさん。やりとりがくりかえされる簡単なお話から、お話の世界に入り込んでハラハラドキドキするものまで、いろいろな絵本を1日の中でくりかえし楽しんでいます。
好きな絵本を何回も「よんで」と持ってくることもありますが、読んだことのない新しい絵本と出合う時の子どもたちの表情はきらきらしています。知っている絵本が増えていくことが嬉しいようです。そんなひまわりさんたちが好きな絵本を厳選しました。
子どもたちの声が響くシリーズ「11ぴきのねこ」シリーズ馬場のぼる 作/こぐま社) 特に『11ぴきのねことぶた』☆・『11ぴきのねこふくろのなか』・『11ぴきのねことあほうどり』☆(以上3冊馬場のぼる 作/こぐま社)が大好き。11ぴきのねこたちが楽しいことも、いけないことも「みんなでやればこわくない」、と“とらねこ大将”を中心に盛り上がるところが楽しいようです。「(それを)やったらいけないんだよね」と言ってみたり、「『しょくん!』だってー」と笑ってみたり。この本を読むといつも子どもたちの元気な声がクラス中に響きます。
むかしばなしの世界に入り込む『さんまいのおふだ』(水沢 謙一 再話 / 梶山 俊夫 画・福音館書店)☆・『だいくとおにろく』(松居 直 再話 / 赤羽 末吉 画・福音館書店)☆ 実際にはいないけど、絵で見るだけで恐ろしいおにばば(おにばさ・やまんば)や鬼などと主人公とのやりとりに子どもたちもハラハラ。でも最後に悪者がやっつけられるので、どこかで安心してみていられるようです。
大好きなラーメンが登場!『ふしぎなおきゃく』(作/肥田美代子 絵/岡本颯子 ひさかたチャイルド)☆ 食べ物がでてくるお話はどの子も大好き。なかでも3歳児クラスひまわり組で人気の“つるつるラーメン”が出てくる絵本です。 人気のラーメンの味にしたくて、ウサギが正体を隠して何度も食べにきます。ウサギが森の中でやっているラーメン屋さんもおいしそうで、子どもたちも大好きです。 |
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4歳児クラスが特に深く味わった4冊
みんなで絵本を読んで一緒に笑ったり、楽しい思い出をもう一度味わったり、さらにイメージを広げたり、時には言葉にできない気持ちを共有したりしています。
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夏の経験を広げた絵本『おっきょちゃんと かっぱ』(長谷川 摂子 文 / 降矢 奈々 絵 / 福音館書店) なんとも言い表せない気持ちを担任と子どもたちで共有できた1冊です。 主人公のおっきょちゃんがかっぱの国に行く時のお土産はきゅうり。きゅうりを栽培したり、プールを楽しんだりした7月に読んだら親しみがあったようです。
「さくらまつり」をもう一度味わった3冊「さくらまつり」は4歳児クラスさくら組が朝から夜まで丸ごと1日お祭りを楽しんだ特別な日です。 ①『くもの わたあめ』(正高 素子 作・こどもとも年中向き184号2001年7月号 / 福音館書店)(*品切れ) 「さくらまつり」の縁日ごっこでわたあめやさんを経験した後、おやつの時間に本物のわたあめのサプライズ! この本を読むと、「わたあめ、つくってみたい」の声があがりました。 ②『きんぎょの おまつり』(作・絵/高部晴市 フレーベル館 *品切れ重版未定) みんなで縁日ごっこや盆踊り・おみこしを経験した「さくらまつり」を思い出し、もう一度「さくらまつり」を味わいました。
③『わんぱくだんの たからじま』☆近日配架予定(等「わんぱくだんシリーズ」、作/ゆきのゆみこ・上野与志 絵/末崎茂樹 ひさかたチャイルド)☆シリーズのうち4冊所蔵 「さくらまつり」では、園内で「たからさがし」も経験。また、憧れのはと組にある“海賊船“(組木で船の形に囲んだコーナー)に乗り、海賊になりきってあそぶことも好きなので、この日常のすぐとなりにあるようなファンタジーを楽しみました。 |
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5歳児クラスが夢中になっている4冊と1シリーズ
だんだんと長いお話でも想像できるようになってきました。お家でも園でも本に親しむ時間が増えているようです。
海の冒険にハラハラドキドキ『チムとゆうかんなせんちょうさん』☆等の「チム」シリーズ(全11冊、エドワード・アーディゾーニ 作 / なかがわちひろ 訳 / 福音館書店)ひよこ文庫所蔵:『チムとルーシーとかいぞく』『チム、ジンジャーをたすける』『チムとシャーロット』『チムききいっぱつ』『チムのさいごのこうかい』(1・2・3・4・5・10冊目のみ所蔵。所蔵している1冊目は瀬田 貞二 訳・10冊目は瑞木書房 発行、渡辺茂男 訳、今後入手可能な範囲で配架予定) チムやジンジャーが危機に陥るたびにハラハラドキドキ。船の丸い窓からジンジャーの姿が見えたページでは思わず息をのみました。いつも正しくて勇敢なチムに憧れる子、「シャーロットになりたい」と言う子も。ジンジャーには親しみを持ったり、「こんな奴いるよな~」と思ったりしているようです。早く続きを読みたくて図書館で借り、お家で読んでもらった子もいます。シリーズ10冊目『チム さいごの こうかい』を読んでほっと安心・納得しています。
乳歯がグラグラしてきて嬉しい!『マドレンカ』(作/ピーター・シス 訳/松田素子 BL出版*品切れ重版未定)☆ 絵本の主人公マドレンカはニューヨークに住んでいます。歯がグラグラしてきた日、そのことを近所のフランス出身のパン屋さんやインド出身の雑貨屋さん等、様々なルーツを持つ人たちに報告し、いろんな祝福の言葉をもらいます。 以前から担任が「(乳)歯が抜けるのは、おめでとうなんだよ」と伝えていましたが、グラグラし始めると不安になってしまう子も。この絵本を読んでから「グラグラしてきた!」と喜ぶようになりました。(毎年6月頃、市の歯科衛生士さんが来園して歯の抜け替わりや6歳永久歯のお話をしてくださっていますが、今年は新型コロナウイルスの感染予防のため11月に延期。) 落語の世界で大笑い『じゅげむ』☆『はつてんじん』等「川端誠 落語絵本」シリーズ(川端誠/作 クレヨンハウス) 長いお話でも最後まで聞き入り、ちゃんと笑いどころで大笑いしています。 『じごくのそうべえ』(たじま ゆきひこ作 童心社)☆(近日配架予定) 特に鬼の身体の中で暴れる場面や外に出る場面で大爆笑! |
(書影は最新刊)
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